第1話

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* 『アンタここに居る意味ある?』 ……いる意味ある? ……いる意味ある? ……いる意味 「……あるわよっ!!」 「きゃっ」 ――バサバサ 「ご、ごめんなさいっ」 ヤバッ! 私ったら、つい考えごとしちゃって。 「大丈夫、愛莉ちゃん?いつも以上にボーっとしてるけど」 「だ、大丈夫よ!大丈夫、あんな男に言われたことなんて気にしてないんだから」 「あんな男?」 あの後、あの男に言われた言葉が耳から離れなくて仕事に集中出来なかった。 今夜は一人だからってこうして叔母さんの家で夕食を御馳走になりに来てるんだけど。 ちょっと思い出しちゃって、畳んであった叔母さん家のタオルの山を崩しちゃった。 どうしていつもこうドジばっかりしちゃうのかしら。 平常心、平常心よ。 私があの会社に居る意味は……多分、あるんだから。
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