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「ところで、愛莉ちゃん」
崩れたタオルの山を集めると、叔母さんの目線が私の膝に移る。
「どうしてそんなセンスの悪いお洋服買っちゃったの?」
「――うっ……」
センスの悪いお洋服――
叔母さんの言うことは正しい。そう、とっても正しいの。
私だって出来たらこんな中途半端な丈のスカートなんて履きたくない。
座っててもゴワゴワするし、何よりパンプスなんかと合わせたら鏡を見るのも恐ろしいほどのダサさだ。
「私、そんなセンスのない子に育てた覚えないわよ」
姪のファッションチェックの域を超えるような鋭い目。
小さい頃にママを亡くした私にとって、ママと歳の離れた叔母さんは母であり姉であり友人のような存在。
だから、今のこの発言は正当なものなんだけど。
「……これ着ないと、怒られるから」
聞こえるか聞こえないかわからないようなか細い声。
でも、恥ずかしくて絶対本当の理由なんて言えない。
「怒られるって誰に?そんなの着てたら、叔母さんの方が恥ずかしいわよ?」
「……叔母さん、そんな……ハッキリ言わないでよ」
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