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「愛莉ちゃん!美味しかった?」
ごくっとコップの水を飲み干すと、ニコッと微笑み返事を返す。
『……叔母さん、塩コショウ入れすぎです』
本当はそう返したかったんだけど、若干の味覚音痴が入っている叔母さんには口が裂けてもそんなことは言えない。
「愛莉ちゃんったら、残さず全部食べてくれるから作りがいがあるわ。恵(けい)ったら食べてる最中にコクが出るからってミルク足したりするのよ」
……それって味付けし直してるって言うんじゃない?
「そうだ!沢山作りすぎちゃったし、愛莉ちゃん持って帰って」
「お、おっ、ばさん……私、一人じゃ食べきれないから今日はいいよ」
「そう?」
全く少食なんだから、と食器の後片付けを始める。
叔母さんの旦那さんはこの辺でもちょっと有名なお店のパティシエ兼コックで、この時間はまだ仕事らしい。
私が寂しいから誘ったなんて言ってたけど、たまの休みに一人で夕食なんてきっとつまらないのだろう。
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