第一節 闇夜の匂い

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 血の匂いの漂う裏路地から男三人の姿が消えると、息を潜めていた人影が動き出す。 「………」  血まみれになった男の姿を見下ろすとポツリ呟いた。 「上杉の家臣。水戸」  ふぅ、とため息を漏らすと顔を上げ、男に背を向ける。 「情報を失ったな。たくっ…」  人影は裏路地をかけ、走り出した。
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