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「ん、待て」
町を駆ける三人組の内一人が残りの二人の足を止める。
「どうした一色」
「さっきの裏路地」
着物姿の男、一色が来た道を振り返る。
「女の匂いがしたんだよなぁ…それもかなりいい」
ニヤリと頬が緩む。
そんな一色の様子を見て高辻は首を横に振る。
「なわけないだろ。人気なんてなかった」
「いや?確かに匂いはあった」
一色の含み笑いに二人は険しい表情になる。
「もし本当ならまずいな。どうする、高辻さん」
「蘆名の兵もうろついている。さっさと済ませる」
一色は満足げにもと来た道を駆け出す。
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