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大広間の真ん中で一人残された波風はやれやれと腰を浮かす。
すると歩み寄ってくる影に気づきぽつり。
「いつもこんな感じなんですか?」
「あぁ、まぁな」
答えた高辻は目の前の光景にただただ苦笑い。
そして目をとろーんとさせ頬をほんのり赤らめる波風を感心したように見つめる。
「よく潰れなかったな」
「慣れてますから」
大広間の隅で寝息をたてる冷泉の方から別の声がかかる。
「へぇーえ。意外だなぁ、なゆさん」
いつどんな時でも余裕のあるその声に波風はぴくりと肩を揺らす。
「どうです?俺たちまだですから、付き合ってくれますよね?」
その意地悪な笑みと無茶な提案に眉を寄せる波風だが、酔いがきいてか、
「いいですよ」
などと言って浅井に対抗する。
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