第三節 戦渦の華

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 大広間の真ん中で一人残された波風はやれやれと腰を浮かす。  すると歩み寄ってくる影に気づきぽつり。 「いつもこんな感じなんですか?」 「あぁ、まぁな」  答えた高辻は目の前の光景にただただ苦笑い。  そして目をとろーんとさせ頬をほんのり赤らめる波風を感心したように見つめる。 「よく潰れなかったな」 「慣れてますから」  大広間の隅で寝息をたてる冷泉の方から別の声がかかる。 「へぇーえ。意外だなぁ、なゆさん」  いつどんな時でも余裕のあるその声に波風はぴくりと肩を揺らす。 「どうです?俺たちまだですから、付き合ってくれますよね?」  その意地悪な笑みと無茶な提案に眉を寄せる波風だが、酔いがきいてか、 「いいですよ」  などと言って浅井に対抗する。
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