第一節 闇夜の匂い

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「蘆名の兵…」  人影は屋根の上にあった。  大きめの着物で身を隠し、顔も髪の毛で隠す人影は屋根の上から下の様子を伺っていた。  夜もふけない町を彷徨く武装した男たち。 「ここを離れた方が良さそうだな」  立ち上がろうとしたその時。  ピクリと人影の動きが止まった。 「………」  その視線の先には男三人組があった。  先ほど裏路地にいた輩だ。 「ちっ」  舌打ちと共に人影は屋根から屋根へと移動した。  その動きは忍者のようだ。
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