第四節 光りと影の国、蘆名

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「あの、高辻さん」  神妙な面もちの私の声色に高辻さんはぴくりと眉を寄せ、箸を止める。 「何だ」  人二人分離れた位置で私は高辻さんと視線を交わした。  私の目の前では越智と赤池さんが未だ言い合いをしている。  その声もやがて遠くなり、私は高辻さんに集中した。 「昨日の件はどうなりましたか」  その問いに高辻さんはふっと鼻で笑い薄ら笑いを浮かべる。 「お前は回りくどい聞き方をするな。要は蘆名はどう動いたか、聞きたいのだろう?」  腕組みをする高辻さんに対して私は口を紡ぎ答えなかった。  代わりに視線だけを送り続け、次の言葉を待った。  正確には、最初に私が質問した答えを待った。  するとそれを悟った高辻さんがふう、と深いため息をつき、深刻そうな顔色で告げる。 「蘆名から褒美を授かることになった」
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