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からんころん、と下駄の音を立て路地裏に入ってきたのは着物姿の男だ。
口元を緩ませ、目は綻んでいる。
世に言う、色男のような顔立ちだ。
「ほら、一色の言う通りだ!さっさとやっちまいましょう!」
肩出しの着物を着た男が白い歯をにっと見せた。
その様子をはらはらとした様子で見ていた上杉の家臣、水戸と呼ばれる男は小刻みに揺れる。
「おお、おい、勘弁してくだされ!何も悪さ働こうと参ったわけでは…」
高辻がじろりと水戸を睨む。
「ひぃっ…」
水戸が体を震わす。
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