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「他の土地の者が何も企まずこんな夜な夜な敵地をうろつくか?」
高辻の冷めた声が路地裏に響く。
「貴様の目的を話してもらおう」
「え!?」
高辻の言葉に男が素っ頓狂な声を上げ顔を歪ます。
「斬らないのか!?」
「基地に連れて行く」
「高辻。それは無理みたいだぞ」
一色と呼ばれた男が鼻で笑う。
その視線の先は路地裏ではなく人気の少ない大通りに向けられていた。
「蘆名の軍だ」
「ちっ」
「どうする、高辻さん」
「仕方ない。情報をとられても困る。斬る」
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