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それでも彼女から
ほぼ強引に荷物を奪って
もう片方の手を絡ませる。
こんな風に奈緒と
手を繋いで歩くなんて
初めてかもしれないな、
なんて思いながら
俺たちはタクシー乗り場に
足を進める。
「ちょ…琉惺…
手なんてつながなくても…」
戸惑う奈緒には
優しく言葉を投げる。
「言っただろ。
一時も離さないって。
これからはずっとこうして
一緒に歩くんだからな」
…どこまでも汚い自分に
失笑しながら…。
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