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「琉惺が嫌じゃなければ
秋人のシャツが
クローゼットにあるけど」
濡れてしまった琉惺の腕を
タオルで拭きながら
掛けた言葉に、
再び琉惺の瞳が揺れた。
分かってる。
どうして琉惺がそれに
こういう反応を示すのか。
だから私は…
琉惺にチャンスを与える。
「クローゼットの中の
黒の衣装ケース。
確か新品のシャツが
入ってるはずだから
出していいよ」
もしもこの部屋に
秋人の手帳があるのなら
おそらく…
あの衣装ケースの中以外
考えられる場所はない。
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