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秀樹がキッチンから出てきて、
ソファーに座り一緒にコーヒーを飲んだ。
秀樹は七美が落ち着いたのを見はからって、
もう一度尋ねた。
「ビックリしたよ。
突然来るんだから。
今日はどうしたの?」
七美はこんなに恋心をつのらせて、
雨の中をびしょ濡れになったのにと、
秀樹の落ち着きが恨めしかった。
「今夜、
泊めてよ」七美は言った。
秀樹はビックリして目を見開いた。
そのまま、
七美は激しく秀樹を抱きしめた。
「今夜、
私を秀樹のものにして」と言って、
ますます強くしがみついた。
秀樹はうわずったか細い声で「エッ、
僕はよく分からないよ。
十六才なんだから。
」
「私だって十六才よ」七美は言った。
秀樹は再びか細い声で「手足がすっかり冷えちゃったみたいだね」と言った。
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