最終日

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いつもとは違う特別な朝。 春の朝日が射し込む部屋の中で私は目覚めた。 目には涙、悲しいわけじゃない。 あの日、地下室を出た後、遥がどうやって壷を破壊したか分かったような気がしたから。 夢だけど……夢じゃない。 そう思えるほど、痛みも苦しみもはっきりしていて。 遥がいなければ、私達はこの特別な朝を迎える事が出来なかったんだろうなと思うと、申し訳ないような気持ちになった。 べっどから起き上がった私は、ハンガーに掛けられた制服を手に取り、着替えを始めた。 あれから一年と三ヶ月ちょっと。 私の周りは特に変わった事もなく、季節だけが変わって行った。 強いて言えば……あの日から半年後に、私と高広が付き合い始めたという事くらいかな。 服を着替えて、制服姿を鏡に映した私は、ニコッと微笑んでみた。 「明日香?起きてる?」 急に部屋のドアが開き、お母さんが入って来たけど、もう着替えている私を見て安心したような表情。 「こんな日に起きてないわけないでしょ。お母さんも準備バッチリじゃない」 「当たり前でしょ。準備が出来たら下りて来なさいよ。朝御飯、出来てるからね」 そう言って、お母さんは部屋を出て行った。
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