カラダ探し④～第三夜～

最終日

学校に到着して、後輩に胸に花を付けてもらった私は、いよいよなんだと悲しくなって来た。

この日が来る事は避けられなくて、高校生活がずっと続くとは思ってないけど、やっぱり寂しい。

教室に入ると、皆いつもと変わらない様子で雑談をしている。

「明日香！今日で高校生活も最後だね。まあ、春からも同じ短大だから、終わりって感じはしないけど」

私の姿を見るなり駆け寄って来たのは理恵。

「そうだね。アパートも同じだし、これからもよろしくね」

「良いなあ。私なんて、知らない人達ばかりだから心細いよ。明日香達と同じ短大にすれば良かったかな」

私と理恵の話を聞いて、日菜子が残念そうに呟く。

「そんな心配しないで。日菜子なら大丈夫だって。どこでだって友達は出来るよ」

「だと良いんだけどさ。なんか、いつか別れる友達なんて虚しくてさ」

あの日から、日菜子は少し変わった。

記憶はないはずなのに、こんな考え方をするようになったと言うか……人付き合いも、一歩引いた感じになったのだ。

毎月恒例だった買い物もなくなって、それに気付いたんだけど。

卒業式が始まるまでの時間、私達はそんな話をして最後の日を心に刻んでいた。