碧想茶房

丘の上の茶房

緩やかな丘を行くと、急に視界が拓けた。

高台にぽつんとある、瀟洒な茶房。

古き良き時代、といった風情である。

上ってきたといっても耳をすませば波の音が聞こえる。
大きくはないこの島の、観光資源なのかもしれない。

社長の一声で決まった台湾への社員旅行。

それも、人気の観光地ではなく小さなこの街に。

女性社員は、自由時間に温泉やらエステに行くと言っていた。

もう少し年上の既婚者達は、夜に羽を伸ばすためにゆっくりとホテルで過ごしている。

さて、それでは自分はどうしたものかと、ホテルで見た案内を頼りに散歩がてら、高台に来てみた。