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中に引きずり込まれた俺は注目の的だ。
人生でこんなに注目されたの産まれて初めてだよ。
もう一生ないな。うん。
まぁ、問題はそこじゃない。
問題は、中にやっぱり見知らぬ男達がいたという、この非現実的なことが起こってしまっている現状だ。
しかも、俺がなりたくてもなれなかったイケメンばっかね。
そんなことないと思うだろ?
でも、俺、本当にフツメンなんだぜ?
いや、今それは置いておこう。
「つうか、お前ら誰だよ!?」
「おー、喋った」
「一人百面相してるから、頭イッたのかと」
おい。今、最後に失礼なこと言ったの誰だ?
俺はフツメンで何の取り柄もない平凡な奴だが、頭はイッてない。
至って正常だよ。このヤロー。
「ごめん、ごめん。いきなり驚くよね」
俺をこの部屋に引きずり込んだ張本人が素晴らしい笑顔で話し掛けてくる。
「いや、だから誰?」
「僕はA(エース)だよ。君が封印を解いたおかげでこうやって出てこられたわけさ」
いや。封印って。
全くもって意味不明だよ。
紫色の髪に赤い瞳。
なんというか、イケメンですね。
羨ましいですよ。
「えーっと、君は…」
お前らに名乗る名前はねぇ!
って言ってやりたいとこだけど、ヘタレで平凡な俺は普通に名乗った。
「レイだけど…」
「レイか。いい名前だね」
いや、普通の名前ですが?
何なんだよ、本当。
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