story.1

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「いや、しかし。見れば見るほど、お父様には似ていないですね。……ふむ、隠し子」 いや、お前は誰だ! つうか、失礼な奴だな! 確かに、父さんも母さんも美男美女だよ。 美男美女の間からフツメンは産まれないってか!? そんなわけあるかぁ!! ………って。 「何で父さんを知ってるんだよ!?」 「おや?聞いてないんですか?私達は君のお父様の使いだったんですよ?」 いや、使いって何? そんな『言ってて当たり前』的な感じで話すなよ。 「そうだね。説明しようか」 ぜひ、お願いします。切実に。 「まぁ、簡単に言うと僕達はトランプ、さらに言えばスペードの擬人化的な存在なんだ。ここまでは分かるかい?」 エースの言葉に頷く。 信じたくはないが、今目の前にいるわけだから、本当なんだろうしさ。 「僕達は代々、君の家系の子(息子を激しく希望するけどね)に遣えるようになってるわけだ」 …何か、今、悪寒が。 「でも、残念ながら君の父上は普通に女性と結婚してしまった」 いや、それ別にいいんじゃないの? 「まぁ、そのおかげでこうして君と出会えたわけだけどね」 そうですね。 それは良かったですね。 でも、俺にとってはとんでもないことだよ。 「てかさ、俺の家に遣えてるなら何で封印なんかされてたんだよ」 ちょっとの事では驚かなくなってる俺、すげぇ。 「それはだね…」 「それは?」 「僕達があまりにも君の父上に迫りすぎたからさ」 身の危険を感じて、凄い勢いで後ろに下がった。 迫る。それはつまり、そういう意味でだよね。 そりゃ、封印したくなるわ。 父さん、GJ! そして、お疲れ、俺。 .
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