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「いや、しかし。見れば見るほど、お父様には似ていないですね。……ふむ、隠し子」
いや、お前は誰だ!
つうか、失礼な奴だな!
確かに、父さんも母さんも美男美女だよ。
美男美女の間からフツメンは産まれないってか!?
そんなわけあるかぁ!!
………って。
「何で父さんを知ってるんだよ!?」
「おや?聞いてないんですか?私達は君のお父様の使いだったんですよ?」
いや、使いって何?
そんな『言ってて当たり前』的な感じで話すなよ。
「そうだね。説明しようか」
ぜひ、お願いします。切実に。
「まぁ、簡単に言うと僕達はトランプ、さらに言えばスペードの擬人化的な存在なんだ。ここまでは分かるかい?」
エースの言葉に頷く。
信じたくはないが、今目の前にいるわけだから、本当なんだろうしさ。
「僕達は代々、君の家系の子(息子を激しく希望するけどね)に遣えるようになってるわけだ」
…何か、今、悪寒が。
「でも、残念ながら君の父上は普通に女性と結婚してしまった」
いや、それ別にいいんじゃないの?
「まぁ、そのおかげでこうして君と出会えたわけだけどね」
そうですね。
それは良かったですね。
でも、俺にとってはとんでもないことだよ。
「てかさ、俺の家に遣えてるなら何で封印なんかされてたんだよ」
ちょっとの事では驚かなくなってる俺、すげぇ。
「それはだね…」
「それは?」
「僕達があまりにも君の父上に迫りすぎたからさ」
身の危険を感じて、凄い勢いで後ろに下がった。
迫る。それはつまり、そういう意味でだよね。
そりゃ、封印したくなるわ。
父さん、GJ!
そして、お疲れ、俺。
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