1024人が本棚に入れています
本棚に追加
湊が戻ってきて、遅れて明路が本部に入ってきた。
明路は何やら用事で出てくると言い、湊は素知らぬ顔で、大倉たちと話していた。
みんな大人だから突っ込まないようだ。
俺は突っ込みたいぞ、佐々木明路、と出て行く彼女の後ろ姿を見て藤森は思っていた。
お前ら、なんかバレバレなんだよっ!
先程の明路の態度を見て、湊との間に何もないと思う大人は居ない。
物言いたげな顔で閉まった扉を見ていると、声がした。
「まあ、いろいろですよね」
屋敷だ。
「部長は愛妻家なんじゃなかったっけ?」
と苛ついて言うと、
「愛妻家だったんです、と言わなかったですか?
奥さんはもう―」
と言葉を切る。
最初のコメントを投稿しよう!