第四章 朝

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 行人はまたいずれ、植物状態の昌生の息の根を止めに来るだろう。  厄介なことになった。  本当なら、和彦に話すべきなのだろうが。  溜息をつき、屈むと、下に向かい、手を伸ばした。  ひょい、と肩に乗ってきたモノに、 「ねえ。  昌生さんの病室、ガードしててくれない?」 と言うと、 「……あんた、また何と話してんのよ」 と聡子が厭そうに言う。  彼女には見えない白い猫は、 「お前は頭がおかしいのか。  何故、私があれを守らなくちゃならない」 と言った。  ま、ご尤も。 「でも、昌生さんを助けることは、昌生さんが一番厭がることよ。どう?」  そこで、猫に溜息をつかれ、 「お前のやっていることはなんだか不毛だ」 と呟かれる。  行人が正しい気もするが、と言いながらも、 「まあいい。  付いててやろう」 と猫は言った。
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