284人が本棚に入れています
本棚に追加
/335ページ
――あがり症。
間違いない。
練習では出来ることが、本番では出来ない。
バスケの時もそうだった。
練習では入るシュートが、入らない。
自信がない。
シュートが打てない。
パスが来るのが怖い。
コートに立つのが怖い。
試合に出れなくなった私は、レギュラーメンバーの【良い練習相手】止まりになった。
『莉緒は本当は上手いのに、なんでかなぁ』
ケイは派手な見かけによらず、意外と真面目に練習をするタイプだ。
コートの隅で遊んでいるナツやメグは、練習の5対5にも呼ばれないことをむしろ楽だと喜んでいる。
私たちはちょっと違った。
レギュラーの座が欲しくなかったわけでは、ない。
『Bチームって名称が既に嫌』
スタメンがA、その練習相手がB、それ以外はC。
ナツたちのようにCでいられれば、それはそれで楽しかったんだろうと思う。
『Bの星になってよ、莉緒』
ケイのその期待に、私は応えることが出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!