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裏切られたような気持ちになったのは、多分私のエゴだ。
ケイはそんなことしない、そう思いたかった。
勝手に創りあげた、ケイの理想像だ。
ケイは困ったような複雑な笑いを浮かべていた。
私は何かひどい表情を見せたのかもしれない、別にこれで彼女を軽蔑したり嫌いになったりするわけじゃないのに。
彼女が取り出した煙草に、驚いたのは私だけではなかった。
「なんだ、ケイもなの?」
「えー、じゃあ私も。解禁ー!」
ナツとメグまでが煙草ケースを取り出し、慣れた手付きで火を点けるのが信じられなかった。
ううん、この2人はもしかしたら――と、全く考えたことがないわけでは、ない。
つまり私はケイだけを別格に見て、ある種神格化をしていたのだと思う。
決して……決して、ナツやメグを『下に』見ていたわけじゃない。
「なんなのよ2人とも、いきなり堂々と」
と、ケイが苦笑する。
「だってケイと莉緒は嫌がると思ったからさぁ」
「ケイのは意外だったねぇー。言ってくれれば良かったのに」
2人がからからと笑いながら頷き合うのを見て、アツシは呆れたように大げさなため息を吐き出した。
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