6月 降らなきゃいいのに

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「え、俺!?」 ――と。 答えたアツシの方もやたら嬉しそうに、にやにやと表情を崩した。 それを見たタケは少し驚いたように目を見開き、それからくしゃっと破顔する。 え、なに? 何か良いコトでも? 外へと急かされるようにアツシに背中を押され、慌てて傘を開きながら先に外に出ていたナツ、メグの輪に飛び込むと…… 「愛実!」 アツシが呼んだのはメグ、なんだけど……その呼び方が、なんだか。 「え、もしかして」 メグとアツシの顔に、交互に視線を動かす。 メグは照れ隠しの様に不貞腐れた表情で半身を輪の外に向けながら、 「もう……大事な報告なのに! 適当に済まさないでよね!」 ギロッとアツシを睨みつけた。 「良かったなアツシ。俺、お前は一生片想いかと思ってたわ」 「へっへ。うるせえよ!」 「ちょっとメグ、なんですぐに報告してくれないのぉ!?」 「すぐも何も、昨日の今日だし! 別に隠そうと思ってたわけじゃ……」 ――付き合ってるんだ、2人。 いつも強気なメグが、強引に肩を組んで満面の笑みでみんなへ交際宣言するアツシの行動に照れて、挙動不審になっているのが可愛い。 言われてみれば、いつも軽快なテンポで言いたいことを言い合っている2人は一見犬猿の仲のようにも見えて……お似合いだ。
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