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秋葉原に銃声が響き渡る。
黄昏の救済者のロックオンことシオンの正確な狙撃が秋葉原連合の守備隊を襲う。
それに対して連合の守備隊も銃部隊で応戦するが、武器の性能も腕前も大差があり、端から見れば虐殺とも思える程に一方的な戦闘だ。
だが、連合が持ち出した『ある物』により戦局が初めて動く。
キュラキュラキュラ…………
独特の音を撒き散らし、それは姿を現した。
「………戦車か…。どっから持って来たんだか」
陸自が使用しているタイプの戦車が、守備隊の脇を抜けてシオンに向かって堂々と近付いてくる。
「ま………予測していたけどね……戦車の存在は」
シオンの口元に微笑が浮かぶ。右手をスナイパーライフルのトリガーから離し、携帯をサイドバッグから取り出してどこかへ通話を開始する
「こちらロックオン。
敵に砲台あり。繰り返す、敵に砲台あり。以上!」
落ち着いた口調で通話先へ告げるシオンの10m程手前に破裂音と土煙が上がる。
「宝の持ち腐れ。豚に真珠ってね」
戦車は確かに対人では協力な兵器。
だが、射程感覚や操縦はおいそれと身に付かない。
「さてと、もう少しこっちに付き合って貰うよっと」
携帯をサイドバッグに戻しながら呟き、右手を再びトリガーへとやり、既に狙いをつけていたので引き金を引く。
味方の戦車の出現に戦意を取り戻し、こちらへと接近する守備隊の一人が狙撃で仰け反るような一瞬の硬直に続いて絶命する。
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