第1話

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「はっ、はぁ、はぁ」 一瞬自分がどこにいるか分からなかったが、すぐにベッドの上に寝ていることに気付いた。 息が上がっていて、汗でシャツがびっしょりと濡れている。 最近、よく嫌な夢を見る。それは決まって、森の中を逃げる夢。 「かのこー!」 いきなり、横から声が聞こえてきた。 横を見れば、友達の遠藤ねねが走ってきた。 そうだ、ここは保健室だ。 「大丈夫?」 大きな目をうるうるさせながらねねが見上げてくる。 「うん、大丈夫。今何の時間?」 「とっくに学校終わっちゃったよー!昼からだから、すごい寝たんじゃない?」 「え、うそ。そんなに?」 しまった。今日は大好きな調理実習があったのに。 「調理実習やりたかった…」 「ふふふ、実は作ったやつ持ってきたんだ。一緒に食べよう!」 「ありがとうございますねね様!」 「いーえ」 ねねがカップケーキを渡してくれた。 「…ねえ、下半分が真っ黒なのはどうして?」
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