0人が本棚に入れています
本棚に追加
「はっ、はぁ、はぁ」
一瞬自分がどこにいるか分からなかったが、すぐにベッドの上に寝ていることに気付いた。
息が上がっていて、汗でシャツがびっしょりと濡れている。
最近、よく嫌な夢を見る。それは決まって、森の中を逃げる夢。
「かのこー!」
いきなり、横から声が聞こえてきた。
横を見れば、友達の遠藤ねねが走ってきた。
そうだ、ここは保健室だ。
「大丈夫?」
大きな目をうるうるさせながらねねが見上げてくる。
「うん、大丈夫。今何の時間?」
「とっくに学校終わっちゃったよー!昼からだから、すごい寝たんじゃない?」
「え、うそ。そんなに?」
しまった。今日は大好きな調理実習があったのに。
「調理実習やりたかった…」
「ふふふ、実は作ったやつ持ってきたんだ。一緒に食べよう!」
「ありがとうございますねね様!」
「いーえ」
ねねがカップケーキを渡してくれた。
「…ねえ、下半分が真っ黒なのはどうして?」
最初のコメントを投稿しよう!