そして世界の歯車は歪む

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メイコウ「めんどくせぇな……。」 手櫛で寝癖を解きながら、テレビを点ける。 「流石に暴風は出てねぇか……。」 仕方ない、行くしかないか。 父と母は共働きで朝は早い。 「教師は大変なんだろうなぁ……。」 と熱が出ても出勤していった母を思い出し、自分も頑張らねばと活を入れる。 朝は面倒臭いのでトーストとコーヒーで済ませる。 「……そういえば、コーヒーって、眠け覚ましには逆効果なんだっけ。」 なるほど、通りで睡魔に勝てれないわけだ。 つまり授業中に俺が寝てしまうのは、俺の意思が弱いからではない。 全てコーヒーが悪い。 学校に着く頃にはびしょ濡れになっていた。 メイコウ「傘の意味だろ……。」 その手に持つ傘を忌々しげに睨みながら傘立てに置き、鞄の中から浸水を逃れたタオルを取り出し、体を拭きながら教室へと向かう。 ホナミ「おはよー!」 今日も相変わらず天使のような笑顔だ。 ちなみに、透けてない。 ナラサトはセレブ通だ。送迎アリは羨ましい。 着信アリはご勘弁。 メイコウ「はよ。あいつ来てねぇのな。」 ホナミ「あー、ヨシヒラね。どうしたのかな?」 メイコウ「あいつの無遅刻無欠席記録に穴が開くかな?」 ちなみに、俺は入学1週間で高熱を出し寝込んだ。 ナラサトにもヨシヒラにも散々ネタ扱いされた。くそぅ。 ホナミ「ヨシヒラ、メイコウとは違って無遅刻無欠席してやるぜ!って息巻いてたのにね。」 メイコウ「今度はあいつがネタ扱いになるな、っと先生来たか。」 「起立、礼、着席」 そして、一時限目が始まる。 三時限目が終わる頃に暴風警報が出たために 俺達は帰路に就いた。 ヨシヒラは結局学校には来なかった。
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