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プルルルルルルプルルルルルル……おかけにn ピ
「っ………。」
ヨシヒラに七回目の電話をかけてみるが一向に出る気配はない。
「まさかホントにダウンしてんじゃねぇだろうな……。」
ヨシヒラが風邪を引いている姿を想像するが、なんとも不自然極まりない。
布団に寝転がるとほぼ同時に携帯が鳴る。ヨシヒラかと思ったが、ナラサトだった。
「……なした?」
『メイコウ君、ヨシヒラから何か連絡あった?』
「いや、ねぇよ。そもそも連絡ならまずナラサトに行くだろ。」
『あ、そっか。それもそうだね!』
「ばーかばーか。」
『う、うるさい!!!バカって言った方がバカなんだから!』
「なんだその小学生理論。」
『むぅ。』
なんだ今の、可愛い。もっとしろよ。
「まー、あいつも所詮人の子だ。風邪でも引いたんかね。」
『なにその風邪、強すぎでしょ。』
「あぁ、全くだ。」
お互いに微笑む。
その後、他愛もない会話を数分続け、電話を切った。
「ふぅ………。」
溜め息をつき、目を閉じる。そのまま俺は眠りについた。
~♪
「ん………。」
眠っている脳には煩く感じる携帯の着信音で俺は目を覚ました。
時計を見ると21時を過ぎている。
「寝過ぎた…。」
寝ぼけ眼を擦りながら、携帯に手を伸ばす。携帯を手に取り発信者を確認した。
「っ、ヨシヒラ!」
急いで通話ボタンを押す。
「おい!今日はどうしたんだよ!?」
返事がない。ただの屍のようだ。
「ヨシヒラ!?」
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