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それを見た灯月はやれやれ、と言ったようにため息をついた。
そしてそれを見た浅葱から笑顔で右ストレートをもらったのだった。
「痛い」
「なんかムカついたからさぁ」
「そんな曖昧な理由で殴られたのか俺」
「ざまみろざまみろ」
「多々良は何なの?俺の事嫌いなの?」
俺はお前らにも萌えを期待してるんだぜー、と言った灯月に、今度は2倍になった拳が襲いかかったのだった。
「痛い」
「俺たちで変な妄想してるんだと思ったら、つい」
「ついつい」
笑顔の浅葱と何を考えてるのかわからないウサギの顔の多々良に、そんな事より、と殴られた事を即座に水に流して話を切り替える灯月。
腐男子は打たれ強いというのは本当らしい。
「王道転校生が王道じゃない件について!!」
「えー、それはそうじゃない?だってー、いきなり初対面の人にキスなんてしたらそれただの変態じゃん」
「ここ日本日本」
「しかも笑顔が嘘くさいって(笑)」
「普通言わない言わない」
「なんなんだよお前らこんちくしょー。真面目かコノヤロー」
最初の勢いはどこへいったのか、灯月は机に伏せてジメジメした空気を辺りにまき散らしだした。
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