激動の王道革命

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そんな中、1人の男が手を挙げる。 その手には、白のナイトが握られていて……言わずもがな、浅葱だった。 そしてそれを見たクラスメート達は、ザワッと一瞬だけ騒めく。 「浅葱くん、教室でチェスをするのはやめなさい」 「はーい、で、質問いい?」 ヒソヒソと何かを話すクラスメートを全く気にした様子もなく、浅葱は相変わらずのニヤニヤ顔で転校生の柊に目を向ける。 それに神木はため息をつきながらも、いいですよ、と頷く。 浅葱は手に持っていたナイトを適当に盤上に置いてから立ち上がる。 「柊くんだっけ、君って王d」 「浅葱ィイィィィイイイィイィイイイ!!」 満面の笑みで爆弾発言をかまそうとした浅葱に、灯月は生まれてから16年、初めて出したんじゃないかというような大声でそれを遮った。 そして、いつの間に移動したのか浅葱の胸倉を掴んで教室の隅に引っ張る。 「オイィイィイイ、浅葱クンよぉ、君は今度は何をやらかそうとした?んん?」 「やっだなぁ、ただ確認したかっただけじゃなーい」 「ヴァカか!!それは確認したらアウトなとこだろうがヴァカが!!」 「じゃあアレはどうなのー?灯月的に。王道なの?アレ」 「ビン底メガネじゃないとこが微妙だが、アレは俺的には王道の範囲にギリで入るんだよ」 「でもさぁ、結構普通に大人しそうだよねぇ」 「いや、俺はまだ王道を諦めたくない」 小声でそんなやり取りをしている2人に笑顔を崩さず、終わりましたか?と聞く神木に、2人は素早く自分の席に戻っていった。
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