PROLOGUE

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「あっちぃ」 「あっちぃねあっちぃね」 「アイス食べたい」 「食べたいね食べたいね」 「ちょっと買ってきてよ」 「てめぇが行け」 「あ?」 「は?」 県境の町にあるこの学園は、河楽多学園。 夏休みもそろそろ終わろうとしているが、まだまだ暑い日々が続いている。 そんな学園の中にある高校の校舎の屋上で、2人の男がへたっていた。 1人はアッシュ系の金髪、たくさんついたピアスの1つからチェーンが伸び、ファーのついたヘアピンに繋がっている変わったアクセサリーをつけた、青い目の男。 もう1人は狐の仮面で顔全体を覆った赤茶色の髪をした、派手な柄のパーカーを着た男。 2人とも、一応学校内にいるというのに完全に私服である。 「ちょっとー、カリコリ君買ってきてよ」 「てめぇが行け」 「何つった今」 「は?」 「あ?」 同じようなやり取りを2回も繰り返すその2人は、一体何がしたかったのか。 カンカンに照り返す太陽の光にうんざりしたようにため息をつきながら、ゆったりとした午後の時間を屋上で過ごしていた。
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