激動の王道革命

13/32
1716人が本棚に入れています
本棚に追加
/396ページ
そんな灯月は、というと。 「よ~ぉ、お2人さん」 「うわぁーお」 「うわうわぁ」 料理を待っている2人の頭上に影が差して、聞き覚えのありすぎる声が降ってくる。 顔をあげると、そこには額に青筋をくっきり浮かべた灯月がいた。 その後ろには、不思議そうに首を傾げている柊、不機嫌そうな顔をした菊沢、困ったように笑う永村がいる。 「なんでここがわかっちゃったかなぁ」 「萎え萎え」 「ふん、腐男子をなめんな。入口から死角にある席は把握済みだわ」 「空気読みなよ灯月くん」 「変態変態」 「世界で一番空気の読めないお2人さんが何言ってんdおぅふ」 「おい」 3人で言い合っていると、不機嫌そうな表情を全面に出した菊沢がズイッと前に出てくる。 眉間にはとても深いシワが刻まれている。 「お前、こいつ昼に誘ったらスゲー驚いて困った顔してたぞ。どういう事だ」 「ぶっは!!」 何を言うのかと思えば、何こいつ。もしかしていいヤツ?と思った瞬間には堪え切れずに盛大に吹き出していた浅葱。 多々良も笑っているのか、菊沢から思いっきり逸らした体は小刻みに震えていた。 「何笑ってんだ」 「ま、待って……。とりあえず待って……」 菊沢の、ますます深くなった眉間のシワに、浅葱は小さく深呼吸して気持ちを落ち着かせる。 それを大人しく待っている菊沢に、また笑いがこみあげてきたのは内緒だ。
/396ページ

最初のコメントを投稿しよう!