PROLOGUE

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2人はそれぞれお礼を言ってそれを受け取ると、すぐさま起き上がってアイスを食べ始めた。 こういう時は行動が素早い、と、灯月はそれを横目で見ながら2人の近くに腰をおろした。 「で、何の話してたんだ?」 「変態の話」 「変態変態」 「ちょ、やめれ」 変態、を連呼する2人に苦笑して軽く制止の声をかける灯月は、2本目のアイスの袋をあけた。 それを見た浅葱と多々良からブーイングが起こるが、ビニール袋の中にもう1本カリコリ君があるのを見てすぐに大人しくなった。 なんとも単純な2人である。 「アレだよアレ、なぁ多々良」 「アレだねアレだね、あさぎん」 「「王道の話」」 その2人の言葉で、途端に灯月の目に先刻の輝きが戻る。 「あぁ!!楽しみだよな!!モジャモジャ頭のビン底メガネの転校生。きっと来るって信じてたよ俺。クラスメートの一匹狼と爽やかをはじめ、生徒会や風紀の奴らをどんどん虜にしてしていってほしいよな頼むよ王道君期待してるよ王道君ハァハァあぁ早く夏休み終わらねぇかな」 「相変わらずだね、灯月」 「ドン引きドン引き」 マシンガントークを繰り出す灯月を流し見ながら、2本目のアイスを食べる浅葱と、まだ1本目をゆっくりと食べている多々良。
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