PROLOGUE

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灯月は興奮が冷めないのか、1人でペラペラと王道について語り始めている。 すでに暴走状態である。 そう、灯月は腐男子というやつであり、ここ、河楽多学園は男子校である。 小、中、高とエスカレーター式で、全寮制ではないが、寮も完備しているまさに"王道学園"と呼んでいいところな訳で。 灯月いわく、萌えの宝庫だという。 「どうでもいいけどー、灯月宿題終わってんの?」 「やっと……やっと、この王道学園に転校生が……2年になっても来なかったらもうどうしようかと……え?」 「宿題宿題」 「……え?」 王道について1人でペラペラ語っていた灯月の腐話は、浅葱と多々良の言葉によって終わる。 サァッと顔色の悪くなる灯月を、とても愉快そうに見る2人の顔はとてもあくどい。 「夏休みも、あと1日で終わるねぇ」 「明後日から学校学校」 「ちょ、ちょっとお2人さん、お願いが」 「「だが断る」」 そのすぐ後、灯月は慌てて帰って行った。
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