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浅葱の言葉通り、明後日には始業式がある。
長いようで短い、短いようで長い夏休みはもうそろそろ終わろうとしている。
普通であれば、ほとんどの学生が憂鬱な気分になって夏休みが終わる事を嫌がって嘆いているであろう。
宿題がまだ終わってないなら尚更。
「多々良」
「何々、あさぎん」
だが、この２人はそのどちらでもなく。
その顔には、夏休みが始まる時よりも楽しそうに笑みを浮かべていた。
「これから、楽しくなるかねぇ」
「するする」
「だねぇ。そうしなきゃ俺らがここに来た意味がないにょん」
「ないない」
その笑みは、とても純粋で、純粋で。
真っ直ぐ狂喜を求めて青空を見上げていた。
「楽しみだねぇ」
「楽しみ楽しみ」
それは、浅葱と多々良が高校２年の夏。
夏休みが終わってはじまったお話。
変人と奇人の、奇人と変人による、王道のフラグをぶっ立ててみたい気もするが基本的には自分に素直すぎる、空気のヨメナイ２人のお話。
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