激動の王道革命

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河楽多学園。 県境にあるこの学園は、小、中、高一貫の男子校。 全寮制ではないが寮も完備されており、この学園の生徒のほとんどが寮生活を送っている。 学園の周りは田舎の町がひろがっており、田んぼや山がのどかな風景を形作っていて空気がいい。 まぁ、何が言いたいかというと、 「……何もねぇ」 山や川で無邪気に遊ぶ年齢ならまだしも、中学生や高校生になるにつれてここは閉鎖的空間になる。 ゲーセンもない、カラオケもない、ショッピングモールもない。 まるで……、と口に出したところで、バスから降りてきた男は口を噤んだ。 そこから先の言葉は放送禁止になりそうだったので、強制終了。 さて、とその男はワカメのような黒髪を揺らしながら歩き、軽く自分の背丈以上はある学園の門を見上げた。 ここまででかい門は初めて見たな。 見上げた拍子にズレた黒縁のメガネを直しながら、男は閉まっている門の他に入口がないかと辺りを見回す。 と、門の横に関係者の入口だろうか、小さな通路のようなものがあるのを発見する。 そのすぐそばにある小さな建物に警備員らしき人がいるのが見え、その男は学園内に入ることができた。 まず行くのは職員室だろうか、と、家に送られてきたパンフレットに挟まれていた地図を見ながら高校の校舎に向かう。
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