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「日生(ひなせ)、職員室に来なさい」
放課後、朝の女とだらだらと歩きながら、靴箱に差し掛かった時だった。
職員室から担任が顔を出して手招きしている。
「明日じゃ駄目っすか? 早く帰らなきゃヤバいんすけど」
後処理もしないでベットに脅して沈ませた兄さんが、家で待っている。
俺の帰りを。
だから凄みを効かせてそう言ったが、担任は真面目な顔で頷く。
「大事な話だから来なさい」
「………」
「待ってようかー?」
「いや。また今度な」
呼び出しとかほぼ無かったから嫌な予感しかしない。
絶対不機嫌になるから、追い返しておこう。
呼び出されて職員室に入ると、更に奥にある談話室に通された。
担任だけじゃなく、主任と校長も座っていた。
――しかも笑顔で。
「何すか。この顔触れは」
苦笑しかできない俺に、担任が隣のソファを促した。
「まぁ、座れ」
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