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わざとじゃなかった。
沙良とは2年のときからつきあっていた。
沙良が自宅から通える大学にいきたいって言うから、レベル高いけど俺も合わせて受験しようとしていたくらいだ。
子供をわざとつくろうなんてするはずもない。
11月、沙良が妊娠したみたいだと俺に言った。
「涼宮先輩っ、いやっ」
「スズだって言ってんだろうが。あのエロ魔神とたいしてかわんねぇだろ。体は同じだ」
「スズはそんなひどいことしないっ!スズを出してよっ」
なんて言い合うと、結局オリジナルのふりはできていない。
芙由の下半身を唾液で濡らして、自分のを入れてやろうとしても小さいまま。
こんなところに抵抗を見せてくれているのかとオリジナルを考える。
いや、そもそも芙由に俺は興味もない。
エロい声でもあげてくれれば反応するのに、芙由は足をばたつかせて、俺から逃げようとしまくる。
「おとなしくしろっつぅのっ。浩行起きてくるだろっ」
「お兄ちゃんは家出たよっ」
「…なら、いくらでも暴れろ」
「離せーっ!」
なんてやりあっても、オリジナルはまったく出てこない。
芙由の小さな胸を掴んでみても、その尻を掴んでみても。
出てきやがれっ!
俺は自分で擦って少しは大きくなったものを入れてしまおうとして。
芙由の蹴りが俺の腹に入った。
…痛い。
「スズを出してよっ。そしたらしてもいいっ。スズじゃないといやっ」
「おまえみたいな色気のない女とはしたくないってよ」
俺は蹴られた腹を押さえて、芙由を犯そうとするのを諦める。
痛い。
そこまでしてやりたくもない。
俺が腹の痛みがおさまるのを待っていると、芙由はなんとか俺が縛ったものから抜け出して、俺がベッドの下に捨てた下着を拾ってはく。
「ねぇ、先輩、スズは?いるんだよね?スズ出して」
芙由はしつこいくらいに俺に言ってくる。
「…じゃあ、おまえが俺を殺せよ」
俺には出せない。
どれだけ奥に引きこもったのか、その意識も感じられない。
俺の意識が薄くなれば出てくるだろ。
「どうやって?スズも涼宮先輩も同じ体でしょ?涼宮先輩の首を絞めたらスズもいなくなっちゃうじゃない」
…生意気だ。
やっぱり俺はこいつは嫌いだ。
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