【Tow you,One me 2nd】

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消えるなら俺が消えたいんだ。 おまえはよくわかっているはずなのに、俺を置いていきやがった。 沙良を持て余した俺は、沙良に薬を飲ませて無気力に落とす。 今なら死ぬための薬はたくさんあると言えるのかもしれない。 俺は沙良の薬をすべて出して、ざらざらと喉の奥へ水で押し込む。 出てこい、オリジナル。 俺は壁に寄りかかって目を閉じる。 目を開けると闇の中だった。 ここがどこかわからない。 やっと死ねたのかもしれない。 「死ねないよ。そんな柔な体に母さんは生んでない」 そんな声が聞こえてきて、闇の中、気がつくと俺がそこにいる。 俺…じゃない。 姿は俺なのに、その表情は柔らかい。 ふわりと笑う。 「初めまして、というのもおかしいね。僕が鈴だよ。ここは僕たちが引きこもるところ。深層心理の奥底かな?」 オリジナルもよくわかっていないようだ。 それでもこれがオリジナルらしい。 目に見えるのは不思議な感じだ。 俺は鏡を見ているのかもしれない。 「オリジナル、早くここから出ていけ。表があいてるってことだろ?」 「そうみたいだね。僕も君もここにいるから。……息は…まだしてるみたい。君が表で生きなよ。僕は消えたくても消えられない。ここにいるだけ。 君は…ここに飛び込んできたんだよね、あの日。そのまま膝を抱えて動かなくて。僕が見に行ってみたんだっけ」 オリジナルは上のほうを眺めて、俺も釣られるように上を見る。 そこにはなにもない。 俺はこんな奥底まであまり沈むことはなかったのかもしれない。 沙良と死のうとして死ねなかったときを除いて。 「……俺と沙良はもうダメなんだよ。俺がそばにいると沙良は安定しない。俺は沙良を癒せない。 あの時…、沙良と死のうとしたあの時に、もしも生きようと考えられていれば、今とは違ったかもしれない。 俺は逃げようとした。沙良と一緒に。 逃げられなかった。 この世界から」 俺はオリジナルを見て、オリジナルも俺を見る。 「おまえはまだ8才くらいの人生経験しかないんだろう。俺の中から物事をたまに見るから、何も知らないわけでもないんだろうけど。 いくらまわりに反対されなくても、俺の心がもう沙良を支えてやれない。それが逃げてると思うなら思えばいい。でもな、俺が沙良の近くにいても最悪なことにしかならない」
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