34人が本棚に入れています
本棚に追加
「くっそ、ゴキブリみたいにしぶとい奴らだな」
喜一は悪態をついた。
相手はただの学徒兵の群れと、一般兵が二人。
雑魚相手だからと一人で突っ込んで戦っていたが、いかんせん敵の数が多かった。
情けないことに、はあはあと息も切れてきた。
(こんなとこで死んでたまるか・・・!)
そう自分を奮い立たせ、刀をしっかりと握り直したその時-
パンッと何かが弾けたような音が辺りに響き、一番前の敵の頭から赤い液体が噴出した。
「!?」
バッと音のした方を見ると、鮮やかな赤い髪に、暗赤色のジャケットを羽織った奴が銃を構えているのが見えた。
「お前、何してんだ!」
「よそ見するくらいなら目の前の相手に集中したら?」
「!!・・・チッ」
むかつく言い方をする奴だ。
たぶん上司だが、そんなの関係ない。
あんなのに手助けされる必要なんか無い!
喜一はこみ上げてくる怒りをぐっと堪え、目前の敵に切りかかって行った。
---------------
最初のコメントを投稿しよう!