蜜月旅行

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「えっと、こっちが、同い年で一番仲のいい幼馴染みで、彩華ちゃん。 今、オーストリアに住んでるの。フルート奏者なんだよ。」 「海外に住んでるんだ。すごいね。」 「クラッシックをやってる限りは、一度は、本場の欧州で、勉強したいなって思って、我が儘を言ったんです。 そうだ、兄と家の主人を、紹介しますね。」 うわぁ! 彩華ちゃんたら、奏多さんのこと“家の主人”だって…。 私も、篤志のこと、これからは、そんな風に紹介するんだよね。 「小松崎奏多です。よろしく、篤志君。」 「よろしくお願いします。」 「俺は、速水光輝。彩華の兄貴なんだ。 君、俺らより、ひとつ下なんだろ? 歳ひとつぐらい、たいした差には、ならないからな。男同士、仲良くやろうぜ。 後、櫻井夏樹ってやつがいるから、今度、紹介するよ。」 梢は、夏樹がいないのが、気に掛かった。 「夏樹さん、帰ったんですか?」 「あっ、…言い忘れてた。梢、ごめん。 あのさ、有希の赤ちゃん生まれたんだって。 披露宴終わったら、ナッキー、すげぇ勢いで、帰って行ったよ。」 「有希お姉ちゃん、生まれたんだ…よかった。」 梢は、自分のことのように、すごく嬉しかった。
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