蜜月旅行

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「梢から聞いてると思うけど、俺達、幼馴染みはさ、ちょっと普通の幼馴染みとは、違うんだ。 普通の幼馴染みって、幼稚園や保育所から、なかよくしてるとか、俺と夏樹みたいに、近所に住んでいてさ、小学校から、腐れ縁な友達のことを、言うんだよな。 でも、俺達の繋がりって、俺の両親を、真ん中にして、いろんな縁で結ばれた人達で出来た、円の中にあるんだ。 俺達も、まあ似たようなもんでさ、俺を真ん中にして出来た、人の輪なんだよな。 だから俺は、みんなのお兄ちゃんなわけ。 春先にさ、梢に会ったときに、なんだか、様子が、おかしかったんだよな…で、彩華に聞いたら、恋の悩みだから、そっとしといてやれっていうしさ。 兄貴としては、心配だったんだよ。 しばらくして、結婚が決まったって聞いて、本当に、ホッとしたんだ。 なあ、篤志君、梢はさ、すごく頑張りやさんだから、一気に、走っちゃうんだ。 だから、休息する場所を、作ってやってよ。君のその腕の中にさ。」 「わかりました。」 答えた言葉は、短かったけれど、真っ直ぐ見る篤志の目は、ものすごく真剣で、力があった。 光輝は、こいつなら、任せられるなって、心から思って、安堵した。 「じゃあ、梢のこと、頼むね。」 ニコッと笑う光輝は、いつもの爽やかな笑顔だった。
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