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本日最後の授業だった集会も終わり僕は慌ただしく教室にみんなと戻っていた。
「それにしても災難だったな」
玄成が僕に向かって小馬鹿にしたように言ってきた。
僕は気にせずに教室に置いてある自分の鞄を持つとダッシュで教室を飛び出した。
「姫によろしくな」
玄成の言葉を僕は無視して生徒会室へ走っていった。
僕が生徒会室につくとそこには予想通り、七奈の姿だけがあった。
「待っていたよ」
なんというかいつもよりも無駄に堂々としている。
胸を張るな貧乳というわけではないんだから大変なことになっているぞと思っていたが口には出さなかった。
「今年もやるんだよな」
僕は諦めながらも続けて言う。
「条件は一つ欲しいけどいいか?」
ちなみに僕は一年生、七奈ら二年生である。
「いいよ」
さすがは生徒会長、何の躊躇もなく答える。
「一人、僕の入れて欲しい奴がいる」
「なぁーんだ。そのぐらいなら全然問題ないよ」
被せ気味に七奈は答えた。
ここ虚空蔵小路学園生徒会は生徒会長以外のものは基本的に生徒会長からの指名制となっている。
集会の時に僕はすぐにご指名がかかった。
「なら、よかった」
これで安心して人を巻き込めると級友の顔を思い出しながら僕は言った。
「じゃあ、がんばってね」
そうは言っても僕からすれば面倒だけどしょうがなく受けることにしよう。
「副会長兼相談担当委員を任せたよ。百目貫悠摩(とどめき ゆうま)君」
僕こと百目貫悠摩は静かにため息をついた。
少しだけこれからの生活に期待をしながら。
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