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生徒会選挙が終わり数日が過ぎた。
「起立、気をつけ、礼」
「「「「「ありがとうございました」」」」」
僕は放課後になるといつも通り部活動も特にやっていないのでダラダラと重い足を引きずりながら生徒会室に向かって歩いていた。
途中で部活動に行こうとしている生徒と何度もすれ違った。
全生徒が千二百人近くいるので学校自体がとても広く僕の教室からだと生徒会室までは思ったよりも時間がかかってしまった。
僕はゆっくりと生徒会室のドアを開いた。
「待っていたよ。悠摩君」
そこには幼馴染みの生徒会長、七奈が仁王立ちで待ち構えていた。
「………」
僕はそれを無視して自分の席についた。
このやり取りはいつも通りなので七奈も気にしたようすはないようなのだがこうなるとわかっているのなら僕としてはやめて欲しい。
しかし、この流れは変わらないのだろうと僕は諦め気味に思っている。
僕は自分の席に着くと少し不安に思っていることを聞いた。
「ところで、七奈。対抗戦の話はどうなったんだ?」
前生徒会長、鬼首槐(おにこうべ えんじゅ)から少し前に話があった対抗戦について気になったので僕は聞いた。
「知らないよ。人数もいないし、気にしなくて良いんじゃないかな?鬼首先輩も人数が揃わなかったらいいって言っていたし」
今回の生徒会対抗戦は四対四なので今の生徒会の人数では足らない。
この対抗戦と言うのは毎年行っている生徒会のレクリエーションのようなもので前生徒会と現生徒会の直接対決を行うと言うもので一般の生徒は一部を除いてこのようなことが行われていることさえ知らない。
「揃わなかったら揃わなかったで問題もないだろうしな」
「………そうね」
それから僕と七奈は何を言うわけでもなくただ静かにただ淡々と各自で時間を潰していた。
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