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そうして、時間が五時を過ぎたぐらいに生徒会室のドアが叩かれた。
「どうぞ」
七奈は特に用件を聞くことなく生徒会室へ招き入れた。
「失礼します」
ドアを開け入ってきたのは一人のお下げで眼鏡の大人しそうな女子生徒だった。
僕的には来て欲しくないのだがどう考えても僕の担当だろう。
「あの、相談があるんですけどいいですか?」
僕はセーラー服の胸のリボンを見る。
青なので三年生と言うことはどうせ恋愛がらみなのだろう。
そう思いながら僕は小さく聞こえないようにため息をついた。
「いいですよ」
七奈も僕といるときと違う真面目モードになっていた。
でも、どう見ても目は僕に後は任せたと言っていることがまる分かりだった。
「では、僕が担当しましょう」
これこそが僕の仕事、相談担当委員なのである。
去年、僕が一年生の時に生徒会に入ったときには存在していたのだがよくよく調べてみると正式に相談担当委員といものが存在している訳ではなかった。
しかし、相談を担当している僕は何でも相談を解決してしまったせいで何でも相談を解決できるということで学校で有名になってしまった。
有名になりたくないなら適当にすればいいじゃないかと思うかもしれないが僕の場合はそうはいかない。
七奈には迷惑をかけるわけにはいかないからである。
「あの、本当にお願いできるんですか?」
不安そうに一年生の僕にも敬語で話す三年生の人。
「大丈夫です。任せてください。相談はなんでしょうか?」
その理由は後々話すとして、僕は三年生の人の相談に乗ることにした。
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