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「お前が他の女の子と遊んでいて、その婚約者は何も言わないのか?」
足を組んで、椅子に浅く座っていた輝一が視線だけを俺に向けて
「俺の憶測だけど……多分、良い気はして無いと思うけど……でも、あいつは俺に惚れているからね。その上世間知らずのお嬢様だ。俺に対して何も言え無いし、何処へも行けない。結婚って意思表示が合致して行う契約と一緒だろ?」
「つまり、お前にとってその意志表示は愛情とか恋愛感情とは別の物って事なのか?」
そう聞いた俺に、何時に無く冷たい視線を送って来た。
「そうなるな」
諦めにも似た輝一の頷き。
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