31人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺の祖母がお茶の先生をしていて、そこの生徒だった美優子を気に入った。俺の親父は基本、祖母には何も言えない男だし、俺も馬鹿じゃないから、自分の置かれている立場は弁えている。それを中学生の時に決められたんだ。お前には理解出来ないだろうけどさ。それで、大学入学と同時にこの前、結納を交わした。それだけの事だよ」
それだけの事。
輝一にとって、美優子との婚約はそれだけの事なのか。
親の引いたレールの上を走る過程に過ぎない。
その中に愛情も恋愛感情も存在しない。
最初のコメントを投稿しよう!