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「サイトて最後に言うたよね、それってインターネットのサイトの事やよね。」唯は頷いた。
「そのサイトのアドレス分かる?」天山は輪島のアイコンタクトで察し、唯にメモ用紙とボールペンを手渡した。唯はやや手が震え気味だったがアドレスを書き終えた。メモには「www/hp.Lansulotto」と書かれてあった。「問題のサイトアドレス、これが原因なのだろうか。」輪島は次の質問に移った。
「君がカラオケ店の大部屋でなんか見た?」その言葉を聞いたとたん唯の表情は曇り頭を抱えて首を振り取り乱し始めた。
「輪島さんここは引き上げましょう。」と天山は小声で輪島に耳打ちした。
「ご、ごめん。」と言い病室を後にした。
輪島は署に戻り唯に書いて貰ったアドレスにアクセスした。開かれたサイトは(有)ランスロットと言う貿易会社のものでサイトの画像は幾分かバグが発生しておりホームページとしての機能を十分果していなかった。輪島はランスロットに電話をしてみた。まだ存続している会社だった。
従業員30名足らずの零細企業で神戸の海岸通りに所在していた。インターネットは個人向けにコーヒーや香辛料、紅茶を通販する為のものだった。
輪島はランスロットを訪れた。輪島に対応してくれたのは社長だった 。2代目社長で30後半の男性だった。輪島は事の全てを社長に説明した。社長はニュースでは今回、9人女子高生の自殺事件は知っていたようだったが、その事件が自社ホームページに関わっていた事を知り、非常に驚いた様子だった。「御社のホームページちゃんと機能していないようなのですが。」
「そうなんですよ、どうもウイルスにやらてしまったみたいで、せっかく作ったホームページがウイルスにやられるなんて思ってもみませんでした。刑事さんの連絡で始めて気が付きました。」
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