0人が本棚に入れています
本棚に追加
「この子普通の娘なんだ。」と思っていたとき。
「わー、ほんといつ見ても綺麗だー。」
と由美子に背を向けるようにして身を乗り出すように外の景色を眺めはじめた。その時由美子の目が一個所に集中した込んできた。彩世の背中から腰に掛けて大きな傷が残っているのだった。腰の方は傷だけで無くやや盛り上がっていた。彩世は由美子を振り向き由美子の顔を覗き込むように「この傷でしょう。これ私と妹がくっついていた後なのですよ。」あどけなく笑いながら聞きもしない事を答える彩世が気味悪くも思えた。
「私、妹が生きているような気がしてならないのです。」
更に彩世は付け加えた。由美子は愛想笑いで受け答えするだけだった。彩世の妹はどのようにくっついていたのだろうか、若し生きたとして下半身はあるのだろうか?3人は風呂から上がり温泉前に建てられていた東屋で休憩した。自販機で買ったお茶を飲みながら夕涼みをしていた。山下は風呂上がりのリラックスした気分で彩世への質問の事もすっかり忘れてしまった。2人は神社で彩世と別れた
最初のコメントを投稿しよう!