第1話

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ボーとしている俺をみてあきれていた心がいきなり叩いてきた。ノートを丸めて叩いてきたので痛みはなかったが反射的にイテッっと声に出してしまった。なにすんだよ!文句を言う俺に対して「あんたがボーとしてるからでしょ。さっきから呼んでるのに」えっ?あっごめんごめんと軽く謝ってから、なに?とたずねるが「別になんでもないよ。」と冷たく返されしまった。なんだよ・・・っと思いつつも俺も前を向いた。 学校が終わりやっと放課後になった。 「あー今日も学校が終わったー疲れたぁ」あくびをしながらつぶやいたら、あんたはずっと寝てたでしょと横から返ってきた。まだ機嫌が悪いようだ…これ以上機嫌が悪くならないようにあははーと笑いながら帰る支度を始めたのだが隣から嫌な視線を感じたので恐る恐る顔を上げてみる。予想通り心がものすごく睨んでいるだ…とりあえず理由を訪ねようとしたとたん向こうから、部活は?と言われてしまった。あれこれ言い訳をしたがそんなもの通じるはずもなく部室に連行されたのは言うまでもない。 俺はサッカー部に所属している。心はサッカー部のマネージャーだ。なぜサッカー部なのか。別にサッカーが好きなわけではない。単純に足が速いからだ。ついでに言うと動体視力や反射神経も優れているらしい。自分では普通だと思うのだが周りからみたらかなりずば抜けているらしい。ちなみに皆もそれぞれ違う部活に入っている。力自慢の零慈は何故か野球部に入っていてマネージャーを愛美がやっている。理由は愛美が甲子園にいきたいかららしい。(たぶん単純に関西の美味しいものを食べたいからだと思うのだが直接は恐くて言えない)奏間は合気道部で流亥は弓道部に入っている。二人とも高校では珍しい部活に入っているのだが、奏間は実家が道場なので必然だろう。流亥は母親が弓道をしていたのでその影響でやっている。皆ちゃんと自分に合った部活をしてるし普通に活躍してもおかしくないはずなんだが何故かみんながみんな補欠なのだ…周りからは宝の持ち腐れとよく言われている。 部活がやっと終了して校門へ心と向かった。校門にはすでに部活が終わった零慈達がいた。何故か昔から急ぎの用事がない限り皆で帰っていたのでいつの間にかそれが当たり前になっていた。
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