第1話

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「おはよう。今何時だと思う?」ニコッと笑いながら返してきた。が、目が全く笑っていない。やばい…殺される!あの目をみて瞬間的そう察した… そこからの行動は早かった。おそらく人生で1番のスピードでシャワーを浴び歯を磨き着替えを済ました。朝食?そんなもの口にされることが許されると思うか!?全ての支度を終えたのを見計らって心が家をでた。もちろん荷物は置きっぱなしだ。「ですよねー」文句は何も言わず俺は自分のと心の荷物を持ちながら家をでた。 地元から海までの道は高速バスを利用した。電車だとどうしても荷物が邪魔になるので嫌なそうだ。3時間ぐらいで海に到着し、まずはホテルにいきチェックインを済ませることにした。ホテルに到着するとまず全員(心以外)唖然とした。ホテルがやばいのだ!いかにもセレブしかきません!てゆーかセレブしか受け入れません!!という雰囲気を全開でだしたホテルだったのだ。おそるおそる中に入っていくと 「いらっしゃいませ!!お待ちしておりました!!」従業員が両サイドに並び道を作るように受付まで伸びている。心は当たり前のように進んでいくが俺たちはおどおどしながら進んでいた。愛美なんか緊張しすぎて手足が一緒になって歩いている程だ。緊張しながら受付にたどり着くとすぐにものすごい不安に駆られた。…宿泊料いくらだよ!!!!焦った…俺の心境を悟ったのか心が受付に宿泊料について何かを言おうとしたが、さきに受付の人が宿泊料は心の親父さんからすでに貰っていると説明された。それを聞き安心したと同時に申し訳なくなったが、これも心は察したらしく「お父さんが学生はお金ないんだから遠慮せず楽しんでこいって言ってたよ」と笑いながら言ってくれたのだがやはり俺は納得できなかったので皆で1人5000円づつは心に渡した。 部屋に案内された俺達はもう驚くまいとたかをくくっていたのだが心の親父さんをなめていた…人生初のスイートルームを俺はこの歳で体験するとは思ってもいなかった…。
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